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清水 聡 准教授

どのような研究をしているのですか?
  ヨーロッパを中心とした国際関係の歴史について研究しています。外交、同盟、勢力均衡などの古典的な外交、あるいは、主権国家や国民国家、また冷戦の歴史と地域統合など、今日のヨーロッパ連合(EU)の仕組みに関わる課題に取り組んでいます。とくに、「地域統合の起源」について、欧州情勢と極東情勢の比較を試みています。1950年代、欧州において地域統合が進んだ頃、極東では、朝鮮戦争や日米同盟の構築が進んでいました。「地域統合の起源」を分析することにより欧州と極東の構造を比較することができます。それによりヨーロッパを中心とした国際関係の歴史を立体的に把握することができるようになり、今日の世界を分析する視点も得られるようになります。
この道に進んだきっかけを教えてください
  世界遺産への関心から、ヨーロッパの伝統と歴史を学びたいと考えていました。ちょうどその頃、旧西ドイツと旧東ドイツを隔てていた「ベルリンの壁」が崩壊し、冷戦が終焉。伝統や歴史への関心は、政治や国際関係へと広がり、とくに、≪冷戦―地域統合≫について研究を深めたいと思いました。そして二つに分断されていた【西ドイツ:資本主義】と【東ドイツ:社会主義】の社会を知りたいと思いました。すでに終わりを迎えた冷戦ですが、実はまだ分かっていないことも多く、歴史の情報から、少しずつ真相が見えてきています。公開された過去の記録から、当時の人々の暮らしや、外交の舞台裏などが分かります。新しい発見が次の課題につながり、より詳細な研究が進むと思っています。
研究分野の「ここが面白い!」を教えてください
  二度の世界大戦、冷戦と「ベルリンの壁」、冷戦後世界における地域統合(ヨーロッパ連合:EU)、さらには、グローバル化と「人の移動」など、社会科学における最先端の課題が、ヨーロッパを知ることから見えてきます。例えば、国民国家を超えた仕組みを模索するEUは、一方で優れた英知を示していますが、他方で難民危機や「ブレグジット(イギリスのEU離脱)」によって揺さ振られています。一進一退を繰り返しながら新しい価値観の実現を目指すヨーロッパを分析することは、社会科学のあらゆる分野に関連していきます。私たちの暮らしの一歩先が、そこから見えてくると思うと、とても面白い専門分野だと思います。
高校生へのメッセージ
  大学では、学修を深め、研究をはじめます。高校生までの学びとは異なり、学んだことをまとめることではなく、まだ誰も知らないことを見つけていくことになります。ヨーロッパを中心に国際関係の歴史・文化・伝統など、さまざまな情報をお伝えします。まずは基礎力(知識・情報・語学など)を獲得し、教員や他の学生との議論・交流することで、応用力(独自のアイディア)を洗練化させることができます。大変な作業ですが、一緒に研究に取り組み、充実した4年間を過ごして、社会で活躍できる力を磨いていきましょう。
 略 歴

明治大学大学院博士後期課程政治経済学研究科 博士(政治学)。法政大学兼任講師、明治大学兼任講師、青山学院大学非常勤講師等を経て、2020年4月より現職。

専門分野 国際政治学、国際関係論、ヨーロッパ研究
担当教科 国際関係論、国際社会論、国際政治経済学、政治学、日本政治史、世界近現代史
趣味 映画鑑賞
おすすめの本 石井修『国際政治史としての20世紀』、永井清彦『増補 現代史ベルリン』
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