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北浦 寛之 講師

どのような研究をしているのですか?
  映画研究を中心に、その周辺領域である、テレビやアニメといった映像文化について幅広く研究しております。例えば、映画史を振り返ってみても、テレビ/アニメなどから大いに影響を受けて、現代まで発展してきました。それは、テレビ、アニメの領域から見ても同様です。それぞれが自立したメディアを形成しつつも<交流>し、現存していると言えます。その<交流>でこれまで何が起きてきたのかを検討し、映像メディアの影響関係を探っております。
この道に進んだきっかけを教えてください
  私が子どもの頃の1980年代から90年代には、とうに映画は映画館の中だけで観られるものではなくなり、テレビ放映やレンタル・ビデオを通しての映画鑑賞がすっかり定着していました。映画がテレビのある家庭の居間でも消費される環境にあって、私の場合、両親や祖父母と一緒に戦後の日本映画の名作を観ては、作品と関連したいろいろな話を聞いたことが、映画体験の原点であったような気がします。大学院で映画研究をするようになってからは、家族と共有した戦後のスターたちの映画や監督たちについて考察するようになりましたが、戦後の映画産業や映画人たちの歩んだ道をたどると、どうしてもテレビの存在が絡んできて、そのことを丁寧に検討してみたいという思いから、映画とテレビに関係する論文を執筆していきました。
研究分野の「ここが面白い!」を教えてください
  私の場合、映画やアニメ(マンガ)などを純粋に娯楽として楽しんでいた延長に、「研究」がありました。そして、それらは、はっきりとした作り手が存在するものでもあります。文献や映像を調査・分析するだけでなく、作る方にもいざとなったら回ることができるわけです。私も、有名な監督や役者と一緒に映画を作ってきたこともあるし、映画やテレビの現場で活躍している人たちとも深い交流を持ってきました。
そうすると、また新たな刺激を獲得できます。とにかく、「研究」だけにおさまらない、広い世界に接し、体験できる領域だと思います。
高校生へのメッセージ
  大学生活を通して、自分の関心や興味を確認したり、発見したりしながら、「知っていく」「学んでいく」ことの歓びを味わって欲しいです。いろんな体験もしながら、今後の人生を豊かにするための、種を蒔いていってください。
 略 歴

京都大学大学院人間・環境学研究科 博士(人間・環境学)。国際日本文化研究センター助教、イースト・アングリア大学(イギリス)客員研究員、セインズベリー日本藝術研究所(イギリス)ロバート・アンド・リサ・セインズベリー・フェローなどを経て、2020年4月より現職。

専門分野 映画学、メディア研究、アニメ(サブ・カルチャー)研究
担当教科 芸術学、日本文化史、日本のサブ・カルチャー
趣味 旅行、テニス、将棋、映画鑑賞
おすすめの本 夏目漱石『こころ』
加藤幹郎『映画館と観客の文化史』(中央公論新社、2006年)
大崎善生『聖の青春』
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