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≪授業紹介≫今に即した指導ができる先生を育てる「生徒指導論」(服部一枝教授)

2017/12/8

開智国際大学には、今年度より教育学部が新設され、教師を志す学生たちが数多く学んでいます。

今回は、この教職に関わる科目の中から「生徒指導論」(服部一枝教授)の授業を紹介します。

「生徒指導」は、生徒一人ひとりに相対して個性や能力の伸長を助けるもの。

しかし、実際にはいじめ・不登校といった問題に取り組むことも多くあります。

そこで、この授業ではできる限り実際に教育現場で起きた事例を取り上げ、生徒指導・進路指導の目的や課題、在り方を探究しています。

 

 

【学生による発表】

この日の授業は、学生による発表が中心。

事前課題として新聞記事から教育に関するトピックを捜してきており、その記事の内容と選んだ理由を15分間で説明します。

特長的なのは、発表者が必ずチョークで板書しながら話をすること。

「先生になったら必ず板書をするでしょう。」と、細かい部分まで「先生になる」ことを意識しています。

 

<トピック①頭髪検査・指導>

一つ目のトピックは、髪の毛の色に関する指導について。

「生まれつき茶色い髪を黒く染めるように指導され、不登校になった」などと、最近ニュースになっていた問題です。

― “髪をカラーリングする”行為と“髪の毛が黒いこと”を混同してはいけない

― 校則は生徒を守るために定められるもの。行き過ぎた指導で傷つけてはいけない

― 必要なのは、地毛であることを申告させるだけでなく、その情報を教員間で共有すること

など、発表を受けて活発に意見が出ました。

 

<トピック②高校生のネット交友>

発表2人目は、「ネット交友」について取り上げました。

高校生の11%がネット上の知人に「会ってもいい」「会ったことがある」と回答したという記事からは、とても無防備な生徒の実情が垣間見えます。

ネットに関わる犯罪が頻発するなか、学校でも情報教育はされているはずなのに、なぜでしょうか?

記事をただ紹介するだけではなく、

― LINEなどのアプリには規制する法律がないので、その危険性が十分に伝わっていないのではないか

― 学校での教育は漠然と”ネットは危ない”と伝えるだけに留まってしまっている

― 具体的に「どんな行動が危ないのか」を伝えなければならない

などと分析しました。

 

<トピック③:教員の長時間勤務>

授業の終わりには、服部先生からも「教員の長時間労働」について新聞記事の紹介がありました。

「公立小中学校の教員の勤務時間は、一日11時間を超えているそうです。この働き方をどう思いますか?」と問いかける服部先生。

学生たちが反応したのは、世界各国の平均と日本を比較した記述。“勤務時間は平均を大きく上回るが、授業にかけている時間は平均を下回っている”とありました。

― 授業のために時間を使えるようにならないと、生徒のためにもならない

― 業務を分担できる人数がほしいけれど、その分お給料がかかってしまう

― 退職後の方々に、シニアスタッフとして協力してもらうのはどうか

考え込む学生たちに、先生は自らの教師経験を踏まえて、こんな問題提起をしました。

「担当科目の授業・クラス担任・部活動・委員会・イベントなど、先生は一人で何役もこなしています。“可愛い生徒のため”と思えば頑張れるけれど、先生だって人間。休養がなければパフォーマンスはどうしても落ちてしまう。この問題の解決策は、これから教育に関わる皆で考えていかなければなりません。」

 

 

【おわりに:世の中の動きに敏感になろう!】

「今日皆が発表してくれたトピックについて、今後も意識して動向を追いかけてみてください。」という服部先生の言葉で授業は締めくくられました。

世間が目まぐるしく変わっていく中で、教師が生徒に教えるべき事柄も日々刻々と変化しています。

いま机を並べている学生たちが教え子を持つ頃には、現在とはまったく違った問題に対処しなければならないかもしれません。

“本当に求められる指導をするためには、まず先生が世の中の動きに敏感にならなければいけない。”

教育の将来を担う学生たちへの、メッセージが込められた講義でした。

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